日本語教育能力試験についてこれまでを振り返ると、いろいろなことに挑戦してきました。その一つが通信講座です。今回は10年以上前に受講したアルクの通信講座について取り上げます。アルクといえば、語学の教材で有名な出版社ですね。日本語教育にも力を入れていました。そういえば月刊誌「日本語」を発刊していたと記憶があります。
東日本大震災がきっかけ
前回のブログに記載しましたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、今後の人生を考える上で大きなインパクトを与えました。昨日まで普通に暮らしていた人たちが地震によりすべてが変わってしまったわけです。数多くの命が失われ、当たり前だった日常がその日を境に大きく変わってしまいました。
はっきりしたことは覚えていませんが、当時の私は東日本大震災を契機として、以前から気になっていた日本語教師への道に少しずつ踏み出そうと決意したのだと思います。というのも、アルクの通信講座「NAFL日本語教師養成プログラム」に申し込んだのは、2011年3月でしたから。
24冊のテキスト
もう11年以上の前のことですから、記憶はとぎれとぎれです。実は去年の12月までテキストを持っていました。ほとんど使っていなかったのですが、また見返すかもしれないと思って手元に置いておきました。ただ幸いにも昨年12月に日本語教育能力検定試験に合格して一区切りがついたことで、テキストを手放しました。
当時、それまで通信講座はほとんどやったことがありませんでした。テキストを読み込み、その理解度を測るためのマークシートテストを行い、アルクに送り返すという作業です。手元に修了証がありますが、合計24冊のテキストがありました。
修了証を見るとマークシートの点数が記載されています。得意だったのは「異文化教育とコミュニケーション教育」と「日本語史/日本語教育史」でいずれも100点でした。一方、「日本語の音声Ⅰ」は唯一再受験(1回目が合格点に満たず2回提出)したほど苦手でした。今でもこの傾向は変わりませんね(笑)。このほか、「日本語の文法-基礎」「視聴覚メディアと日本語教育」「世界と日本」は得点が低かったです。「世界と日本」は嫌いな分野ではないのですが、おそらく数字や国などを正確に把握していなかったのではないかでしょうか。
勉強の手ごたえは微妙
思い返せば、テキストを読み込み、確認テストをしたことで日本語教育への理解が深まったという手ごたえはあまりなかったと思います。どちらかと言えばこなしていたというか、とりあえず正解が分かればいい、という感覚が近いと思います。目標は10月の日本語教育能力検定試験の合格だったので、まずは通信講座をやりきろう、ということだったのでしょう。学習記録を見ると8月にマークシートを重点的に取り組んでいたことがわかりました。24項目のうち14項目が8月です。一念発起して集中して取り組んだのでしょうね。おそらく当時のテキストは、その分野で一線の先生方が執筆されていたと推測しますが、そのようなことに注意を払って考察することもありませんでした。
結果は「B判定」
試験の結果は不合格でした。確か「B判定」だった気がします。不合格の場合、どの程度のレベルにあるか通知ハガキに記されています。率直に初めてのわりによくできた、というのが正直なところでした。8月に集中的に勉強したことが奏功したのでしょうか。ちなみに合格通知は点数が記されておらず「合格」したことしかわからないので、自分でどれぐらい取れたかは自己採点するしか方法がないです。
残念ながら当時の勉強が血となり肉となった感じはありませんでした。通信講座を除いて日本語教育能力検定試験の試験に本格的に取り組んだのは、この時から10年近くたった時でしたが、改めて勉強した時に「こんな言葉見たことあったっけ」という感じです。音声問題もどのように勉強していたか覚えていませんでした(汗)。
当時を振り返ると、自分を追い込んで根を詰めて勉強をやったという感じではありませんでした。だから「B判定」という結果に変な自信を持ちました。ある程度、自分はできるのではないかと。でも、それが間違いであると知るのは、つい3年前のことになるのですが…。
通信講座あれこれ
とはいえ、通信講座のいいところは、自分のペースで勉強ができるところです。実は昨年合格した時に勉強のベースにしていたのが別の通信講座でした。これについては、次回以降に触れます。
アルクのテキストはテーマごとに24冊に分かれていて、取り組みやすかったと思います。ただ、内容が面白かったかどうかと言われると、当時の自分にとってはあまり向いていなかったのかもしれません。今であればより理解度が深まったような気がします。 肝心なことを思い出しました。金額は8-10万円の範囲だったと思います。費用対効果で考えると…。前向きにとらえると、こうした経験を一つ一つ積み重ねてきたことで、昨年の合格につながった、と言えるのかもしれません。高い授業料と貴重な時間でした。