オンライン日本語教師をもう少し考える

前回のブログでは、オンライン日本語教師の可能性をまとめました。さらにその特徴を深堀してみたいと思います。

世界中の学習者と交流可能

オンラインのため世界中の日本語を学びたい学習者とつながることができる可能性があります。もちろん、オンラインサービスによって利用している学習者が、アジア系が多かったり欧米系が中心だったりなどの傾向があります。

なかなか外国人に接する機会がない人でもオンライン日本語教師であれば、当たり前にいろいろな国の人と交流することができます。これが何よりも大きな魅力ではないでしょうか。

資格不要でOK

また、日本語学校との大きな違いとして、日本語教育に関する資格がなくてもできることです。多くの日本語学校では、日本語教師の応募条件として、①大学等での日本語教育専攻、②420時間の日本語教師養成講座修了、③日本語教育能力検定試験合格者-のいずれかに該当することを求めています。

昨年度から登録日本語教員の国家資格がスタートしたことから、登録日本語教員を応募条件に掲げる日本語学校もあります。また、4年制大学卒を記載しているところもみかけます。

一方、オンライン日本語教師を始めるにあたり、こうした要件は必要ありません。最初に「この先生で勉強しようかな」と学習者に関心をもってもらうこと。そして継続してレッスンを受けてもらうことが重要になります。

もちろん日本語教育に関する資格などは、学習者が最初に先生を選ぶ段階において重要な判断材料の一つにはなります。しかし、それがすべてではありません。最終的にはレッスンを続けてもらえればいいわけです。ネットで検索してみると、実際に資格がなくても実績を積んでいる日本人講師の方がちらほらいらっしゃいます。

なんだかいいことばかりでしたが、世の中には「いいこと」だけというのは、そうそうありません。オンライン日本語教師もそうです。課題をみてみましょう。

学習者が応募してくれる?

まず、オンラインサービスに登録したのはいいけれど、果たしてどれだけの学習者が応募してくれるのか。こればかりはやってみないと分かりません。オンラインサービスには日本語を学びたいという学習者が世界中にいる一方、教えたいという「先生」もたくさんいます。

つまり日本語教師のライバルがたくさんいるということです。その中から選ばれる「先生」にならなくてはいけません。そういう意味では日本語教育に関する資格を持っている方が選ばれる可能性が高まります。

少しテクニカルな話になりますが、オンラインサービスに登録するときのプロフィールや写真なども重要でしょう。自分が学習者の立場になって考えれば、写真の雰囲気やプロフィールの内容などが講師を選択するうえで決めての一つになっていることが分かるかと思います。

料金設定はどうする

また、学習者がまず重視すると思われるのが料金です。やはり安い方が選ばれやすいと言えるでしょう。教える経験を積むために、最初のうちは低額な料金で学習者を集めるというのは一つの戦略です。

しかし、だんだんやっているうちに割に合わないと感じることも出てくると思います。同じ50分のレッスンを1500円でやるのか、それとも3000円でやるのかでは、収入もやる気も大きく変わります。

実績もないうちに最初から高い金額では学習者が集まりません。最初は安く設定して学習者を集め、ある程度実績を上げてから値上げするというのは一般的なやり方でしょう。

ただ値上げ交渉は、なかなか大変かもしれません。一般的な日本人(と大きく括ってしまいますが)は日常的に値上げや値下げをする交渉に慣れていません。学習者に値上げについて説明し、納得してもらうのは心理的ハードルが高い取り組みです。

もちろん「この金額で納得してもらえないならやめてもらっても構わない」と割り切ってしまえば簡単ですが…。

レッスンを継続してもらう

安定的な収入につなげるには、学習者にレッスンを継続してもらうことが何よりも重要です。学習者がころころ変わるよりも継続してレッスンをしてもらった方が、お互いにメリットが大きいと思います。

そのためには学習者のニーズを満たすレッスンを行うことが重要です。日本語教育関連の資格が不要と記載しましたが、きちんと日本語を教えることができ、問われたら答えられるだけの日本語に関する知識などを持っていないと、学習者が講師の力量不足を感じて他の講師に乗り換えるかもしれません。

個人的には、普通にやりとりできる程度の英語の会話力があるとレッスンしやすいと思います。これは学習者の母語や言語能力に左右されるため必ずしも英会話ができる必要はありませんが、日本語だけですべてを説明するのはなかなか難しいです。

以上、オンライン日本語教師の特徴をざっとまとめてみました。次回はオンライン日本語教師になるためにどうするかをとりあげたいと思います。

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