就職・転職支援フェアに行ってみた(下)

前回は「日本語教師・職員」就職・転職支援フェアに行ってきた様子をまとめました。今回は資料をもとに募集内容について分析したいと思います。参加した学校は45校ありますが、このうち3校は海外でした。インド2校、ベトナム1校です。ベトナムについては日本の大学が募集しているのですが、働くのはベトナムの大学というものです。

募集は都内がほとんど

国内については群馬県、埼玉県、神奈川県が各1校で、残りはすべて東京都内の学校でした。東京都内に多くの日本語学校があることが分かります。正直これだけあるとどこがいいのか迷ってしまいますよね。都内の中でも新宿区が18校と圧倒的に多いです。

ほとんどの学校が常勤または非常勤の講師を募集していました。中には事務職を募集しているところもあり、なるほどと思いました。日本語学校の運営には事務職も必要です。

常勤講師は1~3名が多数、非常勤は5名以上

募集人数についてはさまざまです。常勤講師で言えば、1~3名ぐらいの範囲での募集が一番多くありました。1名が10校です。常勤は控えめな感じでしょうか。ただ、多いところでは30名という学校もありました。ものすごい採用人数です。こういう学校に応募すれば採用される可能性がかなり高い気がします。

一方、非常勤講師は5名以上募集している学校が半数以上あり、各学校ともに一定数を確保しようとしていることがうかがえます。多いところでは10名、20名などありましたが、最も多いところは50名でした。外国人留学生の増加を見込み、規模拡大に力を入れているのでしょうか。

常勤は22~30万、非常勤は1800~2300円

学校選びで最も気になるのが給与面です。常勤講師では下限で22万~30万円の範囲で募集がありました。なかには年俸制で378万~という学校もありました。全体として大学生の初任給程度という感じでしょうか。最近、大企業は優秀な学生のために初任給を上げているので、それに比べれば少し安いかもしれません。

一方、非常勤講師の給与をみてみます。コマ給または時給で記述してあり、コマ給でも1コマの時間が書いていないところがあるので正確には各学校に確認しないと分からないところがあります。そこを勘案したうえでまとめると、1コマは45分が多いと思われますが(50分というところもありましたが)、下限で1800~2300円でしょうか。

一番低い学校と高い学校で500円の差がありますが、これは大きいですね。時給では2000~2500円の範囲に収まる感じです。時給で500円差も大きいですね。

 

多くが「未経験者 歓迎」

日本語教師の経験については「未経験者 歓迎」を掲げているところが多く、学生増に対応して講師を何とか確保したいという意向が現れている気がします。教材には日本語教育の定番である『みんなの日本語』を多くの学校が使用していました。ただ、そうではない学校もあるので、みんなの日本語になじんでいる人にとっては、教材を学校の選択基準にすることができるかもしれません。

採用方法は書類選考、面接、模擬授業というのが一般的でした。なかには模擬授業がない学校もあります。書類と面接で適性だけ判断して、採用後の研修でしっかり授業の仕方を身に着けてもらうということでしょうか。模擬授業をやればその人の実力がわかるので有効だと思いますが、未経験の応募者にとってはハードルが下がって応募しやすいかもしれません。

認定日本語教育機関は2校

資料をみていて後から気が付いたのですが、募集している学校が法務省告示校であるかはチェックしておいた方がいいと思います。法務省告示校であれば、ある程度、日本語学校としての一定基準を満たしていると言えるのではないでしょうか。とはいえ、私も具体的な内容は知りませんので、今度調べてみたいと思います。

今回、出展している企業はほとんどが法務省告示校でした(海外の学校は除きます)。なかには認定日本語教育機関として、すでに新制度に対応している学校が2校ありました。2024年からスタートして5年間の猶予期間がありますので今後、認定日本語教育機関の認定を取得する学校が増えてくるのではないでしょうか。

こうした細かく概況を見ていくと、少しずつ働いてみたい学校が絞られてくるかと思います。とはいえ、条件はそれほど大差がありません。例えばコマ給で100円違っても、住んでいる場所と学校がある場所を考えた時、コマ給が100円安くても行きやすい学校を選ぶというのは十分あることです。

日本語学校の相場観を把握

応募する学校を選択する際、日本語学校の一般的な相場観を把握し、最低限の要望基準をどのあたりに設定するかが重要になるのではないでしょうか。まとめてみて私自身、頭の中が整理されました。

今回は情報収集でしたが、行ってみて良かったと思います。今後の学校選びの参考になりました。このような機会がありましたら、興味がある方はぜひ参加することをお勧めします。

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