戦国武将、武田信玄の故郷、山梨県甲府市に甲府城があります。てっきり信玄の居城だと思っていましたが、今回初めて甲府城を訪れたところ豊臣・徳川家の城と知り、大変驚きました。甲州=信玄のイメージでしたので意外でした。甲府城は別名、舞鶴城と呼ばれていることも初めて知りました。現地に行く醍醐味は、今回のようにこれまでの思い込みなどが覆されたり新たな発見があったりすることだと改めて思った次第です。
甲府城は武田氏滅亡後、豊臣秀吉の命により築城されました。甥の羽柴秀勝、腹心の部下である加藤光泰らによって築城が始められ、浅野長政・幸長父子によって完成しました。完成した年は明確ではなく、1583年以降であると思われます。本丸や稲荷曲輪・数寄屋曲輪は自然石をそのまま積み上げる野面積みの石垣が残っており、天守台は江戸城・名古屋城・会津若山城につぐ巨大なものだそうです。豊臣政権下では徳川氏を押さえる城として重視されましたが、徳川家が天下を取った江戸時代には外敵からの江戸侵攻を阻止する城として重視されました。江戸時代の初めは将軍家一門が城主となりましたが、途中から幕府直轄地になったようです。
天守は現存していませんが、もともと絵図などが残っておらず、天守が実際に建築されたのか詳細はわかっていないと言います。天守台とその周りに築かれた石垣からは甲府城の大きさを実感できます。石垣は野面積みということもあり、その粗野な造りが城としての風情を醸し出しています。天守台からは富士山も見え、展望はいいところです。ただ富士山が見える方角に電波塔があって、景観的にはどうかなと思いました。
【甲府城】
所在地:山梨県甲府市丸の内1-5-4
アクセス:最寄り駅 JR甲府駅南口から徒歩約5分