仙台総鎮守 桃山様式を伝える社殿は国宝
大崎八幡宮は杜の都、仙台に、戦国大名の伊達政宗が鎮座した神社です。社殿は壮麗な桃山様式を伝えるものとして国宝に指定されています。これまでその存在を全く知りませんでしたが、仙台周辺で散策するのにいい場所を探していた時、大崎八幡宮が国宝に指定されていることを知り、「ぜひ」と思い参拝に訪れました。
神社の由来は、坂上田村麻呂が東北地域を東征した頃にさかのぼります。武門の守護神である宇佐八幡宮を現在の岩手県水沢市に勧請し、鎮守府八幡宮を創祀しました。その後、室町時代に奥州管領の大崎氏は自領内の現遠田郡田尻町に遷祀し守護神として崇敬したことから、世に大崎八幡宮と呼ばれました。大崎氏の滅亡後は伊達政宗が現在の地に祀りました。御祭神は応神天皇、仲哀天皇、神功天皇です。
権現造りで最古の建造物
大崎八幡宮のパンフレットを見ると「社殿の内外にはふんだん極彩色で彩られた彫刻が施され、随所にきらびやかな飾金具が取り付けられた黒漆塗りが絢爛豪華の中に落ち着いた風格を現し」とあります。その一端は多少見られたのですが、当日は簡易な屋根付きの構造物が社殿と連結するような形で設けられており、建物そのものを味わって見ることはできませんでした。内部の彩色は創建当初のまま残され、また後の日光東照宮につながる形式である「権現造り」で現存する最古の建造物だと言います。桃山様式を代表する貴重なものとして、1952年(昭和27)に社殿全体が国宝に指定されました。
大崎八幡宮へのアクセスは鉄道を利用すると、少々難があります。東北福祉大駅前から15分ほど歩いて行きましたが、北参道に至るまで特に目ぼしいものはなく、途中で迷いそうになりました。便利なのはバスではないでしょうか。帰りはバスを利用したのですが、表参道は国道48号線に面していてバス停があります。北参道の付近はまったくお店らしきものがなく寂しい感じがしたのですが、表参道の方は町中の情景を目にすることができました。
【大崎八幡宮】
所在地:宮城県仙台青葉区八幡4丁目6-1
アクセス:JR仙山線東北福祉大駅から北参道まで徒歩約15分
JR仙台駅西口バスプールからバスで20分(仙台市営バスまたはるーぷる仙台「大崎八幡宮前」下車、徒歩すぐ)