東京・新宿にある緑のオアシスの一つに新宿御苑があります。新宿門、大木戸門、千駄ヶ谷門の三つの入口がありますが、丸の内線・新宿御苑駅から徒歩5分で新宿門と大木戸門に着きます。広さは約58万3000平方m、周囲3・5kmと、建物と道路だらけの都心に広大な面積を有しています。中に入ってみると「こんなに豊かな緑と美しい景色があるのか」と驚きます。数十年ぶりに訪れましたが、あらためてもっと利用したいと思いました。
新宿御苑は徳川家康の家臣、内藤氏の江戸屋敷の一部がそのルーツと言われています。明治時代になり、農事試験場を経て、1906年(明治39)に皇室の庭園となりました。戦後1949年(昭24)に国民公園として一般に公開されました。園内には風景式庭園、整形式庭園、日本庭園といった三つの庭園がデザインされていますが、明治を代表する近代西洋庭園だそうです。温室や、新宿御苑の歴史や文化を発信する新宿御苑ミュージアム、スターバックスカフェやレストランなどもあります。老若男女、個人・家族連れを問わず、思い思いに過ごすことができます。
私が訪れたのは6月でしたので、まだ暑くもなくちょうどいい時期でした。普段訪れる明治神宮よりも広くて自由に散策できるのが気に入りました。入園料は500円。安くもないですが、今思えば広大な公園を維持・管理することを考えれば、これぐらいは負担しないと、とも思いました。うっそうとした木々を見ていると、ここが東京であることを忘れてしまいます。緑だけでなく水辺もあり、自然の豊かさを味わえます。季節によって咲く花も変わります。6月でしたので紫陽花を目にしましたが、バラ花壇のバラは旬が過ぎていました。手軽に自然を味わえ、癒しが得られる素晴らしい場所です。(樹)