渋谷駅での定番の待ち合わせ場所と言えば、忠犬ハチ公像の前です。目印としてわかりやすく、常に待ち合わせしている人がいます。私も若いころ、何度かそこで待ち合わせをしたと思います(明確には思い出せないのですが…)。当時はハチ公像について特に意識しておらず、昔ご主人を待っていた秋田犬がいた程度の認識でした。
しかし忠犬ハチ公の史実を知ると、そこには感慨深いものがあります。大正12年(1923)に生まれたハチ公は、東京帝国大学教授・上野英三郎の愛犬でした。上野は自宅から渋谷駅までハチを伴い、ハチも上野が帰ってくるころに駅前に出向いていたと言います。ところが大正14年に上野が亡くなってしまいました。それでもハチは上野の帰りを渋谷駅頭で待ち続けたと言います。
その姿が新聞記事に掲載されたことからハチが広く知られ、昭和9年(1934)に渋谷駅前にハチの銅像が設置されるした。しかし、昭和19年(1944)に太平洋戦争の影響による金属回収が行われ、銅像が持っていかれてしまいました。現在は2代目のハチ公像で昭和23年(1948)8月15日に除幕式が行われました。 久しぶりに訪れたハチ公前は多くの若者でにぎわっていました。また海外からの観光客が記念撮影している姿を見かけました。旅行者にも渋谷のシンボルとして知られているみたいです。今後もハチ公は渋谷の移り変わりを末永く見守っていくのでしょう。(樹)