116項目の講義資料

「今年こそは日本語教育能力検定試験に合格する」と決意し、某大学の先生が手掛けている通信講座を2021年2月に利用することにしました。今回からはその通信講座の特徴や活用方法などについて触れていきたいと思います。

 8カ月で5回やる!

まず、その通信講座で「えっ!」と目を見張ったのが116項目にわたる講義資料でした。ページ数は一項目あたり15-30ページ程度でしょうか。これを1日1項目ずつやったとして116日かかります。2回やるには232日。2月スタートでしたが、3月から試験がある10月まで8か月あるとすると、ざっくり残り8か月×約30日で240日。単純計算すると、1日1項目ずつこなすと2回、目を通すことになります。

しかし、その講座では116項目を5回やることを勧めていました。「5回もできるのか」と呆然としましたが、平日は1日1項目、土日は計9項目として、1週間で14項目やる計画を立てました。そうすると8週間強で1回できます。大体2か月ぐらいでしょうか。1回目はまずそれぐらいでやって、2回目以降はピッチを上げていこうと考えました。2回目以降は力を入れるべきところと軽く流していいところなど、要領がわかってくると思ったからです。

 計画通りにはいかない…

手元に「学習進捗状況確認シート」(通信講座のツールの一つです)があります。1回目は2月23日に5項目を終えるなど、順調な滑り出しでした。天皇誕生日で休日だったこともあります。ところが次に手を付けたのは3月7日。立てた計画がすぐにダメになりました。さらに次に着手したのが3月14日。平日は仕事で勉強に手が回らず、土曜日は体調管理や気分転換に使い、ようやく日曜日に勉強するといった状況でした。

なかなか勉強のペースがつかめずにいたのですが、4月に入ってからは土日にやるようにして少しずつ学習量を稼ぐようにしました。わからないところで止まってしまうのではなく、とりあえず全部やりきることを目標にしました。あと、5月の連休をフルに活用しました(1日10項目やる日もありました!)。その結果、当初の目標よりは10日ほど遅れましたが、1回目を完了しました。

 2回目以降は順調に

2回目は1回目を踏まえて、さらに高めの計画を立てたのですが、37日で完了。3回目は42日で終えることができました。大体40日程度でいけば、5回目は試験のある10月24日の10日程度前に終えることができる計算です。結果として、ほぼその通りになりました。

やはり1回やったところは見たことがあるので、1回目よりは2回目の方が、2回目よりは3回目の方が頭に入ってきやすくなります。また苦手意識があるところや興味がないところはなかなか理解できませんでしたが、それでも繰り返して目にすることで、少しずつ理解度が高まったと思います。

 繰り返すことの重要性

当初は116項目を5回繰り返すことにかなり厳しいと感じていましたが、ペースをつかめば何とかなりました。朝10分でも講義資料を読み込んだり、昼休みに1項目を読み切るようにしたりして、勉強を進めました。項目ごとに確認テストがあるのですが、これも役に立ちました。単に読み切りで終えるのではなく、テストをやることで記憶の定着につながったからです。

これまでテキストを繰り返し読んだことはあまりありませんでした。どちらかと言えば、1回精読した後に問題集をやりながら、わからないところをテキストで振り返るといったパターンだったと思います。しかし、5回もやれば同じ用語も最低5回は目にしますし、特に重要な用語の場合は116項目の中で何回も目にします。そうすることで今まで見たことがなかった用語も見知っているものになり、さらには良く知っているものへと変わりました。5回繰り返すという意味が改めてわかった気がします。

 完璧にやろうと思わない

苦手なところに時間をかけてもなかなかできるようにはなりません。私の場合で言えば、文法や音声ですが、とにかく資料を読んで確認テストをやって前に進むことだけを意識しました。完璧に覚え理解しようとして時間をとられてしまうと、他の部分をカバーできなくなるからです。苦手な部分も5回資料を読んでいるうちに、何となくわかるようになったこともありました。またわからないところは別途、集中的に時間を取るようにした方が効率的とも言えます。特に苦手だった音声については別の機会に触れたいと思います。

また、内容的に手を抜いてもいいと思う項目は飛ばしました。この通信講座の特徴の一つでもあるのですが、過去10年分(最新10年分ではないが)について試験問題での出題の有無を項目ごとに記してあります。出題範囲を網羅する意味で資料は用意されていましたが、データ処理や教育工学などあまりなじみのない項目、出題されてない項目は目を通す程度でいいと思います。そうした分野を完璧にしようとするよりは、苦手な分野(私にとっては文法や敬語表現など)に取り組んだ方が点数的にも獲得できる率が高まるでしょう。

 細切れ的に活用

最初は116項目という数に圧倒されましたが、逆に項目が細分化されていることで、とあえず1項目をやり終えよう、というモチベーションが働きました。1項目であれば勉強する量も時間もそれほど負担にならないからです。これがもし5項目分を1回の項目として扱われていたら、そのボリュームがかなりのプレッシャーになったはずです。これは過去のブログで触れた通称「赤本」(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド、ヒューマンアカデミー著)を使った勉強では、なかなか前に進まなかったので実感しています。

同じ5項目でも1項目ずつやりとげて結果として5項目クリアした場合と、5項目分のボリュームを1項目として扱ったものを勉強した場合では、1項目を積み上げて5項目をやった方が、達成感があります。実質的には同じに思えますが、心理的な部分では大きな差があります。試験勉強ではこういったことを意識することも重要かもしれません。

そういった意味で116項目に分けて勉強できる仕組みというのは、人間心理にも適しているように思います。

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