日本語教育能力検定試験で避けて通れないのが音声問題です。作文と同様、いや作文以上に音声問題が苦手な人は多いのではないでしょうか。私もその一人です。結局、最後まで克服することができませんでした。今回はどのように勉強したのか、またどうすれば良かったなどの反省も踏まえて音声問題のことを取り上げたいと思います。
音声記号・図を覚える
音声問題で最初の壁にあたったのが音声記号です。まず音声記号の子音が五十音の何にあたるのかを記憶するのに時間がかかりました。これまで英語の勉強で見た子音とは異なり初めて見るような子音があります。これにはびっくりしました。
さらに重要なのが発声方法と調音点(呼気を妨げ音を出す場所)の把握です。一つずつすべて覚えなければなりません。もちろん「カ行」であれば発声方法は破裂音で調音点は軟口蓋という法則を覚えれば、暗記はかなり楽になりますが、簡単な子音ばかりではありませんでした。発声方法と調音点を組み合わせた子音の表を時間がある時にちょくちょく見るようにして、何とか頭に叩き込みました。
また発声方法と調音点を図示した口腔断面図は、問題を解きながらどの子音をあらわしているのかを確認して覚えるようにしました。
聞き取りができない
最後の最後まで苦戦したのが、日本語教育能力検定試験の音声問題で出てくる問4と問5です。いずれも内容を把握したうえで、設問に答えるのですが、そもそも聴解問題で話している内容がわからない(苦笑)。そのため設問に書かれている項目はどれもあっているような、あっていないようなというありさまで、過去問題を何回やっても満足いく解答率になりませんでした。
また、結構間違えたのが音声問題で最初に出てくるアクセント形式を問う問題です。最初の二つの音を聞いて上がるのか、下がるのか、そのままなのかを聞き分ければ、かなりの高効率で正解を導き出せると思うのですが、過去問ではなかなかいい点数がとれませんでした。問題をやった後に解答を見ると、あれっ、と思うことが何度もありました。
今思うと…
結局、音声問題については、苦手意識が残ったままでした。もちろん勉強したことにより音声問題40点満点中、30点ぐらいは何とかとれるようになりました。とはいえ満点とはいきません。日本語教育能力検定試験の試験Ⅰや試験Ⅲといった問題は解けば解くほど、ほぼ解答率が高まり、満点を取ることもありましたが、音声問題は解答を見たうえでしばらく日数を置いてからやると、分からないということがしばしばありました。
もともと苦手意識があったため、最初のうちは手つかずで本腰を入れて勉強をできなかったということもあります。確かに発声方法と調音点を記載した子音の図は、その気になれば覚えられます。問題を解く上で非常に重要です。これらが主に出される音声問題の問3は比較的、高得点を取ることができました。
一方、問題4と問題5については「合っていれば儲けもの」みたいな感じでした。過去問を何度やっても間違うので、対策方法がわからない、ということでした。今あえて対策方法があるとすれば、多くの問題を解いてその都度、特徴を把握して「音」や「解答」を暗記するしかないような気がします。
アクセント形式を問う問題1を克服するのであれば、試験1カ月前ぐらいから毎日、問題を聞いて耳を慣らせば、何とかなると思います。実際、そのようにしたわけではないですが、今思えばそんなことが考えられます。
日本語教師としては必須
音声問題で一定の点数が採れると強みになります。そして、日本語教師として教壇に立った時、学習者がなぜ発音を間違え、学習者に正しい発音ができるようにするには、音声に関する知識は必須になります。よりきちんと理解して教えていかないといけない気がします。
音声問題の対策について、せひ、いい方法がありましたら教えてもらいたいものです。