訪問記 諏訪大社(1)

 今年は「御柱祭」の年

5月の連休に諏訪大社(長野県諏訪市)を参拝しました。諏訪大社は数え年で7年に一度の「御柱祭」が有名です。テレビなどで多くの氏子を載せた大きな丸太が、山の急斜面を滑っていくダイナミックなシーンを見たことはないでしょうか。「木落し」と言われますが、御柱祭のハイライトの一つです。今年はその御柱祭の年にあたるのです。

しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、木落しは実施されないことになりました。木落しの代わりにトレーラーで丸太を運搬するということでした。物足りなさを感じ、御柱祭があるとはいえ諏訪大社に行こうとは思ってもいませんでした。

ところがネットで調べると、長野県内の有名な6寺社を周ると特別な御朱印を押してくれるという企画がありました。言葉は適切でないかもしれませんが「スタンプラリー」のような感じです。「これは面白そう」と心が動きました。もちろん諏訪大社も入っています。さらに私の背中を後押ししてくれたのが、諏訪大社には御柱祭の時だけ押してくれる御朱印があるということでした。もともと長野県の実家に帰省してゆっくりするつもりでしたが、諏訪大社は帰路の途中にあります。

「よし、それなら!」と思い、実家への帰省と合わせて諏訪大社を含めて長野県内の6寺社を周り、御朱印を集める決意を固めました。まずは諏訪大社からです。

 「ええっ!2・2km」

5月4日(水)。JR新宿8:14発(おそらく臨時列車?)のあずさに乗り、諏訪大社のあるJR茅野駅(長野県茅野市)へ向かいました。10:45に到着。降車した人はそれほど多くありません。駅の構内には御柱祭の垂れ幕のようなものがありましたが、人がほとんどいないせいか、祭りの熱気みたいものは感じませんでした。

せっかく長野県に来たのだからそばを食べようと改札出口のすぐ近くにある立ち食いそばに行きました。はっきりとは値段を覚えていませんが、高い!地元プレミアがつくとはいえ、都内で「富士そば」や「小諸そば」に慣れてしまった今では、ちょっと食べる気がしませんでした。

気を取り直して観光案内所に行き、地図を入手しました。係りの人に聞くと最初の訪問を予定していた上社・前宮には駅から2・2kmあるとのこと。それを聞いた私は「ええっ!」と驚きました。というのも、事前に諏訪大社のホームページで確認した時は1・2kmでしたから。それに合わせてバスの時間など当日のスケジュールを立てていたのです。約倍の距離に焦りました。

 4社を周るには―諏訪大社は4宮で構成

ところで諏訪大社は上社と下社があり、さらに上社は「前宮」と「本宮」、下社は「春宮」と「秋宮」があるというのはご存じでしょうか。すなわち四つの神社がそれぞれ分かれてあるのです。今回この4社を1日で周る(前宮→本宮→秋宮→春宮)ことを計画していました。

前宮には駅から歩いていきます。前宮から本宮まではそれほど遠くなく、距離は1・5kmで歩いて行けます。本宮から秋宮と春宮に行くには10km以上あるので、タクシーで乗り付けるか、いったんJR茅野駅に戻り列車に乗って秋宮と春宮の最寄り駅であるJR下諏訪駅にまで行かなければいけません。当初の計画では、茅野駅から前宮まで歩き、そこから本宮まで歩いた後、バスに乗って茅野駅に戻り、春宮・秋宮の最寄り駅である下諏訪駅に行く、という計画を立てていました。

理想的には本宮からタクシーで春宮・秋宮へ行こうと考えていたのですが、この日は御柱祭の「里曳き」の日にあたっていました。大勢の氏子が御柱を引っ張って町の中を練り歩き、各神社まで運ぶのです。そのため交通規制が引かれていて車が通れる場所が限られるため、タクシーを捕まえるのは難しいと思いました。バスについては前日に地元のバス会社に連絡し、運行状況とバス停のある場所を確認していました。今思えば、これもあてになりませんでしたね。

 徒歩で前宮へ

駅から前宮まで1・2kmと2・2kmでは大きな違いがあります。タクシー利用も考えましたが、道中の景色を眺めながらのんびり歩いていきたいですし、いきなり神社に着くのも味気ありません。茅野駅に着くまで2時間以上、列車に乗っていたということもあります。スケジュール的には少し厳しいかなと思いましたが「なるようになる。よし歩こう」と決めました。昼食用に駅前のコンビニエンスストアでおにぎりを購入し(これは好判断でした!)、上社・前宮に向かいました。(続く)

 

訪問記は、日本の名所を訪れた時のことを記す「旅行記」となります。その時に見たり聞いたり感じたりしたことを綴っていきたいと思います。

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