東京風景(7)歌舞伎町

赤いネオンが鮮やかな「歌舞伎町一番街アーチ」

新宿・歌舞伎町と言えば、日本最大の歓楽街としてその名が知られています。多くの飲食店・遊技場・風俗店が乱立し、猥雑な景観はまさに歌舞伎町ならではです。その一角に新宿区役所があるのも不思議な光景です。さまざまな人間模様を映し出す街として今も多くの人が行き交っています。

歌舞伎町は太平洋戦争後、焼け野原になった一帯を新しい街にする復興計画の際に生まれました。当初は歌舞伎座を誘致しようとして「歌舞伎町」の名前が付けられましたが、国の建築規制や金融緊急措置令の発動などで歌舞伎座の誘致が頓挫し、名前だけが残ったようです。

歌舞伎町はさまざまな側面があり、一言で語るのは難しいエリアです。個人的にその名前を知ったのは、大学に通うため東京に来てからでしょうか。伝統芸能の歌舞伎とは全く結びつかず、いわゆる猥雑な街という印象でした。

学生時代は歌舞伎町でそこそこ飲んだりもしました。今はなくなってしまった新宿コマ劇場や噴水広場などが原風景としてあります。そういえばビリヤードが流行って友人と歌舞伎町のプールバーで遊んでいたこともありました。社会人になってからは会社の仲間に連れられ、小道から奥に入った中華屋風の居酒屋で飲んだこともありました。しかし、年齢が上がるにつれ、歌舞伎町から足が遠のいています。

2008年に新宿コマ劇場、新宿東宝会館が閉鎖するなど、長年歌舞伎町の顔であった施設がなくなりましたが、2015年に新宿東宝ビル・ホテルグレイスリー新宿が開業しました。新宿東宝ビルの8階にある実物大のゴジラヘッドがいまやランドマーク的な存在になっています。個人的には最近、TOHOシネマズ新宿でやっていたトム・クルーズ主演の映画「トップガン・マーヴェリック」を観るため、久々に新宿東宝ビルを訪れました。

あらためて歌舞伎町を記そうとすると、書き尽くせないさまざまな様相があり、知らないこともたくさんあることに気付きました。一度、歌舞伎町の成り立ちについて調べてみたいものです。

「GODZILLA ROAD」正面のビルが新宿東宝ビル。ビル左下にライトに照らされたゴジラの頭が

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