日本の神社 穂高神社(長野県安曇野市)

北アルプスの総鎮守 安曇の地で海神を祀る 

穂高神社は北アルプスの麓、信州・安曇野の地に鎮座しています。安曇野にある本宮のほかに、風光明媚な観光地として知られる上高地(長野県松本市)の明神池のほとりに奥宮、北アルプスの奥穂高岳山頂に嶺宮があり、日本アルプスの総鎮守としてお祀りされています。

2022年は小遷宮の年にあたる穂高神社(拝殿)

御祭神は穂高見命(ほかたみのみこと)、その父神である綿津見命(わたつのみこと)、天照大御神の孫にあたる瓊瓊杵命(ににぎのみこと)の3神です。綿津見命は航海や漁業など海を司る海神です。

山に囲まれている安曇野ですが、なぜ海の神様を祀っているのでしょうか。それは穂高見命を祖先とする安曇族が古代九州北部で海運を司っていたからです。早くから中国大陸と交易するなど高度な文化を持っていた氏族のようです。

安曇族はしだいにその活動範囲を四国や中国、近畿、中部地方へと広げ、その一部が現在の安曇野の地に定住しました。

穂高神社がいつ創建されたのかの記録はありませんが、醍醐天皇の延長5年(西暦927年)に選定された延喜式(法令集)の神社一覧には、信濃における大社として名を連ねていたといいます。

今年、2022年は式年遷宮の年にあたります。式年遷宮といっても20年に一度、本殿を建て替える大遷宮と、7年ごとに祓い清め破損修繕などを行う小遷宮があり、500年以上前から続いています。今年は小遷宮の年になります。

私にとって穂高神社は正月三が日の初詣に、家族と一緒にお参りする神社として身近なものです。毎年おみくじを引いて今年の運勢を占っています。三が日は境内に多くの車が交通安全祈願のため駐車されており、穂高神社をよく知らなかったころは交通安全で有名な神社だと思っていました。多くの屋台が出ていてにぎやかです。

まだ新しさを感じる木造の拝殿と杉の大木があって清々しさを感じる神社です。北アルプスとその麓に広がる安曇野の景観を味わうのであれば、ぜひお参りあれ。

正月には交通安全祈願の車で境内がいっぱいになる(鳥居の奥に見えるのが神楽殿)
遷宮に合わせて境内に飾られた「穂高人形飾り物」(一の谷の合戦)
上高地の明神池のほとりにある奥宮

【穂高神社】

所在地:長野県安曇野市穂高6079

アクセス:最寄り駅 JR穂高駅から徒歩3分

「日本の神社」では個人的にお勧めしたい神社や思い入れのある神社、有名な神社を取り上げます。神社のホームページや配布資料などを参考にポイントをかいつまんで紹介していきます。

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