東京風景(11)日本橋

首都高速道路が上空を覆っている日本橋

江戸時代から栄えて時代の変化とともに進化している東京・日本橋エリア。その象徴である「日本橋」は1603年(慶長8年)、江戸幕府が開かれるのに伴い架橋されました。江戸幕府により五街道(東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道)の起点として定められました。現在の日本橋は1911年(明治44年)に造られたルネサンス様式の石造二連アーチ橋です。

日本橋の名前はよく知られていると思いますが、実物を見た人は意外に少ないかもしれません。初めて見た人は驚くかもしれませんが、日本橋の上には首都高速道路が走っていて橋を覆っています。景観の点では何とも残念です。とはいえ、橋の四隅にある柱の銘板に刻まれた「日本橋」と「にほんばし」という文字は、徳川家最後の将軍、徳川慶喜の揮毫によるものだそうです。橋の装飾として麒麟や獅子の立派な像もあり、さすが日本橋と思わせる風情があります。

日本橋は日本橋川という川に架かっています(今回、調べて初めて知りました)。また現地に撮影で行って、初めて日本橋の脇に船乗り場があることも知りました。現場に足を運ぶ重要性を改めて実感した次第です。職場からそれほど遠くないところにあるので、たまに通りますが、個人的に日本橋という場所はこれまであまり縁のないところでした。どちらかというと雑学的に知っていたという感じです。ですから橋自体に注目することもありませんでした。東京風景の執筆を通じて日本橋を知るいい機会になりました。

写真撮影の当日は土曜日だったせいか、多くの人が歩いていました。近くに三越や高島屋といった百貨店があるほか老舗のお店も点在しているのでショッピングや飲食などを目的に訪れていたのかもしれません。今後、首都高速道を地下に移設して、日本橋の景観を取り戻そうとする計画が動きだしています。そうなれば日本橋はもっと注目を集める場所になりそうです。(樹)

獅子の像
麒麟の像

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