さて、アラフィフになって、なぜ日本語教師なのかと思う人もいるでしょう。私は数年前に日本語教師養成講座に通いましたが、女性は比較的20代~60代までと世代が幅広いのに対し、男性は会社を定年になった年配の人が多く、あとは20代の若者といった感じでした。
年配の方について言えば、定年後の第二の人生を送るうえで日本語教師という選択が出てきたのだと思います。会社時代に海外で過ごしたことがあるとか、日本でも外国人と関わった仕事をしていたなどが考えられます。ある意味、年配になって始めても「先生」と呼ばれ、海外の人と触れ合うことは刺激があるものだと思います。
世界中の人と交流
私自身に関して言えば、おそらく日本語教師という職業を知ったのは今から約30年前、大学生のころではないでしょうか(このことについては別途紹介したいと思います)。昔から海外に興味を持っていたので、外国人に日本語を教える仕事というのは非常に魅力的だと思っていました。日本語を教えることを通じて世界のいろいろな国の人たちと交流できるからです。大学生から社会人になってしばらくの間は外国人に日本語を教えるボランティアをしていたこともあります。
しかし、日本語教師を職業として選択しませんでした。今の仕事に意義を見出していたこと、日本語教師の給料が安すぎること―などが理由に挙げられます。
ただ、日本語教師への思いはずっとくすぶっていました。いつかは海外と関わる仕事をしたいと思っていたからです。だからこそ会社員生活に不安を感じたり先が少しずつ見え始めたりしたころから日本語教師養成講座に通い始め、420時間コースを修了しました。さらに日本語教育能力検定試験を勉強し、昨年12月に合格証書をいただくことができました。
国や文化は違っても
日本語教師を選択する理由は何よりも先述した日本語を教えることを通じて世界のいろいろな国の人たちと交流できることに尽きます。おそらく日本人とだけ過ごしていれば想像できないような面白いことが起こるはずです。文化的・慣習的・宗教的な違いに戸惑うことも多々あるでしょう。でも、日本語を教えることを通じて人として共感できることが必ずあるはずです。それはすばらしいことですね。
まだ日本語教師としてのスタートは切っていませんが、雑誌やネットを見る限りは日本語教師がつまらない仕事と感じることはなさそうです。ただ経済的な待遇の悪さと仕事の忙しさで仕事を辞めていく人はけっこういるようですが…。
「日本人代表」として
ほかに外国人と交流できる仕事は何かあるでしょうか?単純に外資系企業で働くというのもありますが、ちょっと意味合いが違います。今から外交官-そもそも年齢的に無理でしょうし、あえて国の組織ではなく日本語教師であれば「民間外交官」が務まります。通訳-英語が得意であればいいのかもしれませんが、なかなかそう簡単になれるものではありません。
発想を変えれば、物流会社や自動車メーカー、エレクトロクス企業、アニメ・映像関係、食品会社など単純に海外と関わる日本企業や仕事はいくらでもあります。こうして考えると、仕事として何をやるかに行きつくのですね。
日本語教師は日本語を学習する外国人にとって 日本人の印象に大きく関わるのではないかなと思っています。だから責任も重大です。まさに「日本人代表」です。日本語を通じて世界中の至るところに信頼できる仲間をつくる―こんな壮大な夢を描いています。