幕末の先覚者、佐久間象山を祀る
象山神社は、幕末の先覚者として多くの志士に多大な影響を与えた佐久間象山を祀った神社です。創建は1938年(昭和13)。1913(大正2)の象山殉難五十年祭を機に、地元松代町出身長の大審院長・横田秀雄が主導して神社建立の計画が進められたことにより、松代の地に建てられました。
佐久間象山は有名な割には、具体的な生い立ちや実績などがあまり知られていない気がします。幕末の志士はこれまで、いろいろな人物が小説やテレビドラマなどで取り上げられていますが、佐久間象山については思いつかないです(知っている方がいらしたら教えていただけると幸いです)。砲術家であり、象山が開いた塾に吉田松陰や勝海舟らが入門していたほどですから相当な人物であったと思われます。その一方では朱子学を修めています。「東洋の道徳と西洋の芸術」を提唱し、先見性のある考えをもっていました。
私自身、象山についてはおおまかにしか知っておらず、同じ信州生まれとして、もう少し象山について勉強したいと思っています。
境内には、象山が幕末の志士と時勢を論じたとされる「高義亭」、京都から移築した茶室「煙雨亭」、象山宅跡、象山生誕の場所など、さまざまなものがあります。目に飛び込んでくるのが象山ら7人の銅像です。まだ建てられてから数年しかたっていないので新しさが目立ちます。象山を見出した松代藩主の真田幸貫と象山の門下生とされる勝海舟、吉田松陰、坂本龍馬らが並んでいます。なかなかのものです。
今回、松代の地を歩いてすぐ近くに象山という山があることを知りました。佐久間象山はその象山から名前を取ったわけではないようですが、現地に行くことでいろいろと気付いたことがありました。今回、近くにある象山記念館にも足を運びました。もう少し一般向けに象山の事績を分かりやすく紹介した方がいいと思いました。
象山神社は行った時よりも、こうして執筆のためにいろいろ振り返った今の方が、印象が深く残っています。
【象山神社】
所在地:長野県長野野市松代町松代1502
アクセス:JR長野駅からバスで約30分、停留所から徒歩10分