日本の城 大阪城(大阪市中央区 54)

                   観光客でにぎわう大阪城

大坂冬の陣、大坂夏の陣と、豊臣家と徳川家の激闘の舞台になった大阪城。その歴史的な意義と日本3名城にも名を連ねる立派なつくりを考えると、あらためてじっくり見てみる価値は高いと思います。

私にとっての大阪城は、子供のころ見ていたNHKの大相撲中継で、放送が終わる時などに時折映しだされていた姿が印象に残っています。今思えば3月に行われる春場所(大阪場所)だったわけです。大阪城は国宝ではなかったので、つい先日に訪れるまではあまり興味がありませんでした。エレベーターがある城として、その歴史的価値を毀損しているようなイメージがありました。しかし、今の年齢になって行ってみると印象が大幅に変わりました。

大阪城は戦国時代の大坂本願寺(石山本願寺)を前身として、その時に堀や土塁など城郭の骨格が整備されました。1583年(天正11)に豊臣秀吉がその地に大阪城を築き始め、2年後に天守が完成しました。しかし、大坂冬の陣、大坂夏の陣を経て豊臣氏の滅亡とともに天守も焼失。徳川時代になって二代将軍秀忠が再築城に取り組み1626年(寛永3年)に完成しましたが、これも1665年(寛文5)落雷によって再び焼失しました。現在の天守は1931年(昭和6)に当時の大阪市長、関一のよびかけによってできあがったもので3代目となります。大阪城は天守が立派ですが、城郭が広大で当時の大阪城の重要性・戦略価値を表していると思います。

私が訪れた日は多くの外国人でにぎわっており、日本らしい絶好の観光スポットという感じでした。来るまでは城にエレベーターがあることに違和感を持っていましたが、大勢の観光客が押し寄せているのを見ると、現代の城としてエレベーターは有効ではないかと思うようになりました。体が不自由な人にとっても見学しやすいと思います。一方で歴史的な文化遺産に手を加えるのは、その価値を毀損するという考えがあると思います。単に歴史遺産として保存するだけではなく、現在、未来にも建物の使用を続けていくことを考えた場合は、現代風のアレンジもありではないかと思った次第です。

大阪城と言えば豊臣家の印象が強くありますが、今の大阪城は徳川家が大幅に改良し、大きくしたようです。大阪城は知れば知るほど興味深い感じがします。

                堀、空、木々のコントラストが美しい
                    天守から見た大阪城内
                大阪城の特徴でもある緑青色の屋根
                  緑が多い堀に囲まれそびえる天守

【大阪城】

所在地:大阪市中央区大阪城1-1

アクセス:最寄り駅 地下鉄谷町線で谷町4丁目駅、天満橋駅

          地下鉄中央線で谷町4丁目駅、森ノ宮駅

          JR大阪環状線で大阪城公園、森ノ宮駅など

いずれも徒歩15-20分

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