〇天守はもともとない!=仙台城
とんかつ屋のおばさんに今日の最終目的地である仙台城への行き方を尋ねました。最初はタクシーで行こうと思っていたのですが「バスで行ける」とのことでした。大崎八幡宮の一の鳥居に観光循環バス「るーぷる仙台」のバス停がありました。路線バスと違い、仙台市内の観光スポットを循環しています。予定時刻より10分ほど遅れて来たバスに乗り、仙台城に向かいました。仙台駅で乗り換え、人の流れに合わせて下車しました。
フードコートや売店が並んでいるところを通り、まず伊達政宗像のあるところを目指しました。「なるほど、テレビや雑誌で見たことあるぞ」という感じです。高台にあるので仙台市内を見渡すことができます。辺りをうろうろしました。
本丸跡がありましたが、建物のあった土台部分だけでした。意外と何もありません。実は仙台城は天守が建てられなかった城でした。天守は現存していないものの、過去の名残を楽しめるかなと思っていただけに驚きました。とりあえず日本100名城のスタンプを押して、帰路につきました。
〇バッテリーがない!
仙台城からは地下鉄東西線の国際センター駅まで歩きました。下りなので歩きやすいです。逆にこれが上りだったらと思うと、かなりしんどいと思いました。約20分で国際センター駅に着きました。さすがに1日歩き回ったので疲れています。地下鉄に乗って仙台駅で石巻行きの列車に乗り換え、ホテルの最寄り駅である陸前山下駅に向かいました。
時刻は17時を回っていましたので、車窓の外は暗くなってきていました。陸前山下駅に着いた時には辺りは真っ暗でした。地図で見ると海が近くにあったので、海の雰囲気がある駅かと想像していましたが、海を感じさせるものはなく、いかにも田舎のローカル線にある駅でした。駅前のお店で夕食をとろうと思ったのですが、そのようなお店はもちろんありません。周囲は住宅街という感じです。歩いてホテルを目指しました。
陸前山下駅からは宿泊する「ホテルサンルート石巻中央」までは徒歩で約20分あります。まったく知らない場所でしたから、スマホのグーグルマップが頼りでした。ところが今日1日中、スマホを見ながら行動していたため、バッテリーの残量が10%を切るところまで減っていました。「うわっ!まずい」。ここでなくなったら本当に全く知らない土地で迷子になってしまいます。ムダにバッテリーを使わないようにしてグーグルマップを見ながらホテルに向かいました。
住宅街が続いていました。車もほとんど走っておらず人もいません。我ながら、こんなところを夜に男1人が歩いているのは異様かもしれないと思いました。グーグルマップで少しずつホテルへ近づいていることを確認しながら暗い住宅街を歩きました。目的地のホテルが見えるとホッとしました。何とかバッテリーをもたせてホテルにたどり着くができました。
〇夕食は地元の居酒屋「とり福」」で
スマホをある程度、充電できた段階でご飯を食べに外へ出かけました。ホテルでもらった周辺マップで店を探します。吉野家がありましたが「宮城まで来てそれはないなあ」と思い、ホテルの人に勧められた居酒屋「とり福」に行きました。
大きな街道から横道に入り住宅街の近くに店を構えています。店の中は結構、混んでいました。「こんな場所でも人が入るんだ」と感心しました。東京と違い、地方は車がないと移動ができません。お酒を飲まない人と一緒に来ているのでしょうか。それとも代行を呼ぶ予定でしょうか。
カウンター席に案内されましたが、私以外、誰もいませんでした。ただ、部屋はどこも一杯のようでにぎやかな声が聞こえてきました。最初は注文してもなかなか料理がこなかったのですが、食べたいものをお腹一杯食べました。さんまの刺身、舞茸のバター醤油焼き、焼鳥など…。いずれもおいしくいただきました。
旅行気分ということもあり、普段は飲まない日本酒を飲みました。お腹がいっぱいだったのでなかなか飲み切れなかったほか、かなり酔いました。ちょっと無理しました。いい気分でとり福を後にし、ホテルに戻りました。少し酔いを醒ましてから大浴場で昼間の疲れを癒しました。
この日は「ない」がキーワードでした。神社の「鈴が鳴らない」、拝殿が「よく見えない」、天守が「もともとない」、バッテリーが「ない!」。いろいろと気付きがある1日でありました。(つづく)