訪問記 金華山黄金山神社2023(下)

〇1年ぶりの女川へ 

朝6時には目が覚めました。大浴場でゆったりしてから7時過ぎに朝ごはんをとりました。スマートフォンで列車の時間を確認すると、陸前山下駅で9時18分の電車に乗れば目的地である女川に到着します。その時間までホテルで待っているのがもったいなかったので石巻駅まで歩くことにしました。ホテルから約2.4kmですから30分強でしょうか。

少し寒かったのですが、持参していたハーフコートを着たので何とかなりました。石巻は宮城県で第二の都市だとネットに記載してあったので大きな商店街などを期待していたのですが、駅周辺はそれらしきものがほとんど見当たりませんでした。もし石巻駅周辺に泊まったとしても、あまり楽しめなかったのかなあという感じです。

駅の構内は多くの人で混んでいました。みんな、女川で開かれる秋の収穫祭へ行くのでしょうか。9時33分の列車に乗り、9時59分に女川駅に到着しました。1年ぶりです。昨年見た同じ風景が広がっていました。秋の収穫祭をやっていたので、多くの人でにぎわっています。さんまのすり身汁を無料で提供していて、長い列ができ上がっていました。「うわー、飲みたいなあ」と思いつつも乗船時間に間に合わないと困るので、そのまま船乗り場に向かいました。

1年ぶりの女川港。この海があとでえらいことに…
さんまのすり身汁の順番を待つ長い列
おながわ秋の収穫祭は多くの人でにぎわっていた

〇行く手を阻む荒い波

今年は昨年船に乗った時と異なり、波が荒くて苦戦しました。乗船してすぐに70代ぐらいの操縦士のおじさんがマイクで地元のことなどを紹介してくれたのですが、今日は波が荒いとアナウンスしました。実際、大きな波が襲ってきました。船の後部は屋根がないテラス席になっていてビニールで覆ってあるのですが、「キャー」という悲鳴があがっていました。

最初のうちはその声に思わず笑ってしまう余裕があったのですが、途中から本当に気持ち悪くなりました。船の内部にいたので外の景色はあまり見えませんが、大きな波のうねる感じが体にダイレクトで伝わってきます。「早く着いてくれ」と祈るような思いで着岸を待っていました。みんな、よく気持ち悪くならないなあと不思議でした。

〇2年目のお詣り  

ふらふらになって金華山に到着しました。黄金山神社への上り道は相変わらず急で、船酔いの体には余計しんどく思われます。参道に入って行くと、両側に立っている木が去年に増して枯れている感じがしました。何とかしないといけないのではないか、というモヤモヤしたものを感じました。ずんずん歩いていくと、開けた境内に到着しました。

まずお詣りします。去年は雨の中でしたが、今年は曇りでした。お金に苦労しないことを祈願しながら2年連続でのお詣り達成です。

昨年同様、今回も人がいなくなったところでもう一度お詣りしました。そして御朱印をいただきました。このころになるとすっかり体調がよくなり、お腹が空いたので食堂へ行って山菜そばを注文しました。帰りの船のことを考えると食べても大丈夫だろうかとの懸念が頭をよぎったのですが、「まあ食べてしまえ」と食欲に身を任せてしまいました。これが後で大変なことになるとは…。食事をとると何だか気分が落ち着きました。

金華山黄金山神社につながる坂道。見た目以上に勾配がある
参道の木が傷んでいるのが気になった
2年目のお詣りをした金華山黄金山神社

〇食べたそばがそのまま…

帰りは船の後部スペースに座りました。ビニールに覆われた席です。隣には女性2人組が座りました。帰りは行きと違って最初から波が大きくうねっていました。「キャー」という悲鳴もあがったほか、2階から落ちたくらいの衝撃がある大きな波に遭遇しましたが、ディズニーランドや遊園地のアトラクションのような感覚で楽しんでいました。後ろを振り返ると同時間に出発した船が大波で見えなくなってしまうような光景もありました。「無事に戻れるのだろうか」と思わずにはいられませんでした。

15分、20分も揺られていると、楽しさが失せてだんだん気持ち悪くなってきました。風が強いので、船の黒い排ガスが船内に入ってきます。その体に悪そうな臭いがとてもきつくて気持ち悪さが倍加しました。船が波からドーンと何度も落ちたり揺れたりするうちに、本当にヤバい感じになっていたところ、船頭さんがちょうどエチケット袋を配ってくれました。

慌ててもらい、その後は…。昼に食べたそばがそのまま出た感じです。何とか周囲に迷惑をかけずにすませることができたのが幸いでした。終盤はだいぶ波も落ち着き、寝ていて気持ちが良い感じでした。そして何とか船着き場に到着しました。

金華山の高台からの風景。海が太陽光を反射している
岩場を見ると、海が荒れているのが分かる

 

〇3年連続は簡単ではない

女川ではまだ秋の収穫祭が続いていたので、無料で提供していた焼きさんまをいただきました。お腹の中はプラスマイナスゼロでしたので、おいしく食べました。残念ながらさんまのすり身汁は終了していました。

コンサートをやっていましたが、帰りの時間を調べると、次の電車を逃すと相当遅くなることが分かり帰路につきました。1時間半ぐらいかけて仙台に到着しましたが、仙台でもゆっくりしている時間がありませんでした。とりあえず駅弁だけ買って乗車し、東京に向かいました。

今回のお詣りは本当に試練でした。行きも帰りも波がきつかったのですが、あんなに気持ち悪くなったことはここ数年、記憶にありません。あの荒波の中をもう一度行くと考えるだけで、かなりの覚悟が必要です。3年連続参拝というと簡単にできそうですが、そうではないことを実感しました。そう易々とお金に困らない人生を実現させてはくれません。次回は体調を含めて万全な体制を整え、気合を入れてお詣りしたいと思います。

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